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【総評】
調子に乗っちゃって暮れの押し迫った時季に催しました 12・28プロゲキ!「富山コミックショー」。大盛況のうちに終えました。雪の中お越しくださいましたお客様、本当に心より御礼申し上げます。今回も小屋主兼MC兼そして出演者だった石川がお届けします。
3の倍数月に3、6、9、12と年間4公演やってみました。結果として本当にやってよかったと思います。今回のvol.4「富山コミックショー」も前回に引き続きまして準備が遅れ遅れになり正味4週間の情宣でした。小屋主が12月アタマまで金沢で舞台出てたんでしょうがないんですが、いろいろありまして出演者が決まってなかったのでやっぱり自分のせいです。その舞台は関係なく遅れました。ではあるものの今回初出演となる富大お笑いサークル97のプロゲキデビューという目玉もあり「富山コミックショー」と銘打って公演出来たことは本当に新たな船出でした。まさにdepature。
新時代キタ――(゚∀゚)――!!
(石川雄士)
【富大お笑いサークル97】
トップバッターはプロゲキ初出演となる富大お笑いサークル97でした。今年春に存在を知って観に行ったのが始まりで夏にオファーしました。その時に比べると段違いに上手くなっていて若さと才能と成長に嫉妬しました。11月末に杏亭キリギリスとうちのスタジオで寄席やりまして、その間元芸人でもある彼に指導されたのかもしれません。ただ忘れて欲しくないのは我々(自分もなれなかった芸人くずれとして含めさせてもらえるとすれば)芸人目指したりなる者って宮廷のピエロのはずなんですよ。権力者をこき下ろす。権力と戦えるのはユーモアだけなんです。「自分より強い者を倒す柔らかい武器」なんです。オール巨人師匠の弟子で売れてるのは破門された有吉さんだけなんです。唯々諾々と師匠の言うこと聞いて後輩イジメてるようなやつは売れないということです。知らんけど。師匠に逆らうくらいじゃないと師匠を越えることは無いでしょうし。ということは当日来なかった「精進!大河ドラマ」の片方は見どころがあるのかもしれません。
脱線しました。どんどん良くなって行ってて正直芸人になれもせずグダグダの漫談した者が言う資格無いと思ってます。「煩悩ポンプ」(金大数学科の中村くんの超理系感実に良い)、「蟹ビーム」(先輩後輩の部室感出てるダルな漫才好きです。小路くんぬいぐるみのネタが好きなんですが今回無くて残念。吉田くんの昔の浅草芸人のような空気実に良い)、「ヨダカの春」(数学科vsいじられ大男のせめぎ合いがすごいオモロい)、「サザンカ」(桃瀬くんのドンキのネタが舞台裏知ってるだけに爆笑。鈴木くんの佇まいも良い)と5人で4組の漫才をやって盛り上げてくれました。
すごい面白かったしウケてました。「学生お笑い」というカテゴリが今注目されているようでメディアが取材を申し込んでました。より一層飛躍して欲しいです。年末押し迫っていたので友達も帰省してたのか集客は伸びませんでしたが能登から従兄弟が観に来るとかゼミの先生が来るとかムネアツでした。ネタも面白いのですが打ち上げで平場の強さも垣間見えて将来が楽しみです。これはルー大柴さんの番組に出た時に言われたのですが「今後どんな人生送るか何になるのかはわからないけど、たくましく人生渡って行けると思う」。自分も50過ぎて若者を見てそう思うようになりました。ともあれプロゲキデビューでしたが、今後も出て欲しいし(3月プロゲキ富山vol.5出演決定してます)ガンガン攻めて欲しいです。
(石川雄士)
【劇団やてみよ】【石川雄士】
セカンドステージは劇団やてみよ。今回は代表堀田くんとあかりさんの二人で出演。人数が少ないと一人当たりのギャラの取り分も増えますしわかってるな!と思いました(笑)
これまで観たことある演目の再演もありましたがシュールさに磨きがかかっており、常連さんも「どんどん良くなってる」と言ってました。「ホームラン」はもう円熟味すら出て来てて堀田ワールド全開。何回も観てるはずなのに腹をかかえて笑いました。「マジックショー」では知性を感じさせるワードを散りばめ、「レモン」で狂気を見せておいて「教師と生徒」ではインモラルネタかと思わせておいて稲中のようなギャグに振る。まさに鬼才です。劇団ふだいで彼の短編を観て「面白いな」と声をかけて2年くらいでしょうか。小屋主と出演者になりましたがいつか 一緒に演ってみたいです。堀田くんは1月18、19日に劇団ふだい冬公演『21g』にも出演しますのでそちらの方も楽しみにしております。
(石川雄士)
中入り休憩後は小屋主による漫談でしたが、コレについては自分のことですし反省しかありません。2度と即興で漫談やるなどと言わないことを誓います。アンケートには「出て来るだけでイイ」「赤裸々な漫談面白かった」「貴重な話が聞けてとても面白かった」「大変興味深かった」「初めて漫談というものを観たが絶えず観客とコンタクトとりながら話すのは新鮮で聴き入った。即興でスムーズに話すのは尊敬」などと好意的な声もありましたが真に受けるわけには行きません。仲間からの「話す内容を事前にまとめておく時間が無かったのかな?思い出話をつらつらとしてるだけになってたよね(笑)」という苦言がクリティカルヒットだと思います。「普通にチャーリーの話を聞いた感じ(笑)壮大なノロケ話を聞いたような気分…(笑)」等反省しかありません。プロゲキCEO井口さんも呆れたような顔だったので今後はMCの時に少し喋る程度にとどめようと堅く誓いました。
いやー台本無いとかリハしないとかホントダメですよ。早く台本が欲しいと思いましたが次の出演も即興です…ただね、即興にもいろいろありますから。次は手ぶらで行かずフル武装の即興で臨みます。ちなみに昼席は禁断の「地元政治漫談」で行くつもりがメディアの方が居たので急遽変更して三大噺に挑戦するもスベる(この政治漫談は12月30日に仲間の単独公演観に行って急に何かやれと言われてそこで完全版やりましたがヤバい内容なので出せません)。誰のせいでもありません。自分が全部悪いのです。夜席は「結婚への軌跡」として演りましたが「酒吞みながらサシで聞きたい話だなと思いました」(10代女性アンケートより)というのが芯食った感想だと思います。酒席で盛り上げるために即興で言葉紡いで行くのが始まりですので次回は笠谷んのように酒呑みながら…(※ダメ!絶対!)というわけでお粗末様でございました。
(石川雄士)
【杏亭キリギリス】
メインイベントは杏亭キリギリスによる落語。
昼席は古典落語『たが屋』。何度も観させてもらってますがさすがの迫力。凄惨な噺ではありますが枕で客を掴み飽きさせません。三代目桂三木助師匠や三代目三遊亭金馬師匠が得意とした噺で「町人のレジスタンス」が主題です。この噺を晩夏に南砺市で聞かせてもらってサゲで実際花火が打ち上がり我々夫婦の結婚を祝う花火大会になったのでした。
夜席は『ハムレット』講談ver.。一緒に島根県は温泉津のイワミアーツプロジェクトで演るシェークスピア演劇のパイロット版でもあります。こちらもさすがのクオリティで特に年配のお客様が感じ入った表情で観てらしたのが印象的でした。「さすがとしか言いようがない」というアンケートも多く、ぼくのグダグダ漫談で緩み切った場を引き締めてトリを飾ってくれました。プロの芸人さんも「大したもんだ」と感心されてました。本当に素晴らしかったです。ありがとう。
(石川雄士)
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