井口時次郎インタビュー「『プロゲキ!』進化論

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※ここからは文字情報です。

本インタビューは、2月5日にドリームチョップ稽古場にて行いました。聞き手は権守あずみです。

権守 今日はよろしくお願いします。まずは1年目の振り返りあたりからお願いできますか?

井口 あいかわらず鋭いんだか緩いんだかわかんない感じで来るなあ。まあいいけど。1年目ね。うん、思ったよりできたこともあるし、逆にこれじゃダメだなって反省するところもいっぱいあるんだけど、とりあえず「やったらできるじゃん」っていう感じかな。だって、片町で2ヶ月に1公演ってそんなのできるの?ってたくさんの人に言われたしね。特に旗揚げの4月はチラシの写真なんか「どんだけ自分好きなの」ってボロクソに言われたし。

権守 たしかにこれはインパクトありますね(笑)

井口 それそれその半笑い。そのリアクションどれだけ見たことかってね。でもやってる本人としては大まじめに「時は来た!」って思ってるんだよ。

権守 その「時は来た!」って確かプロレスの有名な人のセリフなんですよね。

井口 橋本真也ね。「プロゲキ!」のチラシに載せてるキャッチコピーはたいがいプロレス名言から取ってるんだけど、あんまり気づいてくれる人いないんだよなあ。弱気になって12月のチラシは普通にしちゃった。せっかく風李さん出てくれたんだからもっとやれたかなって。言っとくけどキャッチコピーの話だよ?

権守 わかってます。話戻しますけど、1年目の「プロゲキ!」をもうちょっと具体的に振り返ってもらえますか?

井口 やっぱり風李一成さんやかはづ亭みなみさんが出てくれたのは大きいよね。高輪眞知子さんもすごかったし、他のメンバーもみんながんばってくれて本当に感謝してる。「プロゲキ!」は短編で複数上演だから、演者の確保がまず問題になるんだよ。誰だっていいワケじゃないからね。若手、ベテラン、バランスよく、そして自分も出るからには恥ずかしくない出来にしないといけない。いろんなことを考えて、いろんな人にお願いしてきて、自分が広がったのはあるね。そういう意味では「社会とつながる」ことが今後も大事になってくると思う。出演者交渉にしても「プロゲキ!」の宣伝にしてもね。今までの常識にとらわれないで、いいと思ったことは何でもやるよ。他がなんて言おうが関係ない。やるのはコッチだからね。芝居といっしょだよ。さらしてナンボ、勝負してナンボだよ。

権守 逆に反省点も教えてもらえますか?

井口 これはまずスケジュールだね。2ケ月に1本なんてやったことなかったから勝手がわかんなくて、4月公演が終わる直前くらいに6月の会場押さえてたり。完全に自転車操業だよね。出演者の交渉も後手後手になっちゃうし。だから2年目はもうすでに4月から12月まで先に会場全部押さえたから。まあ、当たり前っちゃ当たり前なんだけど、その当たり前ができてなかったってとこだよね。それから、今まで演劇に触れてこなかった人をできるだけ集客したいって思いはあったんだけど、そこはまだまだだって感じてる。大学生に当日スタッフをお願いしたりして少しずつ認知してもらおうとはしてるけどね。あ、片町きららの大型ビジョン。あれはよかったね。今年も絶対やりたい。もちろん予算はかかるけど普通のことだけじゃしょうがないんでね。ほかにも今までにやったことないようなPRの方法を考えたいよね。そこは誰か参謀になってくれる人がほしいとこなんだけどね・・・。

権守 2年目に向けて「プロゲキ!」のここに注目というところはありますか?

井口 あるよ!去年のインタビューの時に、「県外にプロゲキ!を持っていきたい」って話したんだけど、2年目にして実現だよ。来る3月30日に、富山県のチャーリーズスタジオでプロゲキ!富山大会やることになりました。これすごいよ。富山駅から歩いて数分だもん。ちっちゃい会場だけどその分DOUBLE金沢さんより演者と観客の距離が近くて濃密な舞台になること間違いなし。

権守 それって、富山の俳優さんが出演するんですか?

井口 10月のプロゲキ!に出演された石川雄士さんが主催となって、いま富山の手練れを集めてる。もちろん、そこに交じって井口も参戦するよ。富山と金沢で俳優の交流ができたらいいね。「まだ見ぬ強豪」とか「知られざる強者」ってなんだかドキドキするでしょ。

権守 そんな人いるんですか?

井口 いるんだよこれが。まだ詳しいことは言えないんだけど、相当すごいよ。金沢の「プロゲキ!」に今年も富山から出てもらうつもりだけど、「こんな人がいたんだ」って思ってもらえると期待してるよ。逆に、俺もそうだけど金沢の俳優が向こうにいったときにナメられないようにがんばらないとね。もちろん富山だけじゃなくて、他の地域にも進出していきたいって考えてる。夢は全国だね。日本全国で「プロゲキ!」をやりたい。演劇を広くたくさんの人に見て欲しいって気持ちは、それこそどこの地域の演劇人ももってるはずだし、「プロゲキ!」のシステムそのものはどこでだって通用するでしょ。そして、多くの地域に広まってるほうがメリットも大きくなるわけだし。

俺は役者としての自分もまだまだこれからだと思ってるけど、「プロゲキ!」のプロデューサーとしてはまだ2年目だからね。ルーキーの気持ちなんだよ。ものすごく新鮮だし、楽しみなんだ。

権守 プロデューサー井口時次郎の今年の仕掛けについて、ほかに今言える範囲で教えてもらっていいですか?

井口 去年も言ったけどとにかくお客さんをたくさん入れたい。各公演Sold outにしてチケットが簡単に取れない状況を創りたいんだ。買えないとなるとほしくなるのが人情だから、そこまでいけば一気に状況が動き出すんじゃないかって思ってるんだよ。なんせ「物事が変わるのは一瞬」だからね。

そのためにはやっぱり出演者なんだよ。去年以上にビックリするようなキャスティングができるか。それに加えて新人の発掘。外から来てもらうだけじゃなくて自前で俳優を養成したい。特に若い人にはしっかりとした基礎が大切だと思う。「プロゲキ!」で育てた俳優が県内外問わずいろんな舞台で活躍するくらいになったら面白いだろうね。長い目で見れば「プロゲキ!」の未来もそこにかかっていると思うよ。

権守 最後に、2年目の金沢スタートとなる4月公演について詳しく教えてください。

井口 話したいんだけど、そろそろ時間切れだね。残念だなあ。

権守 まさか、まだ何も決まってないんじゃ・・・。

井口 そんなわけないじゃないですか(笑)去年の最初は俺が3本演ったんだったよなあ。今年は・・・おっといけねえ、続きは来月。

権守 今日はありがとうございました(モヤモヤ)。

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