※以下、文字情報です。
本インタビューは、8月5日にドリームチョップ稽古場にて行いました。聞き手は権守あずみです。
権守 それでは今日はよろしくお願いします。
茶谷 はいよろしくお願いします。
権守 まず、茶谷さんは金沢でそれこそ誰もが認めるベテラン、実力派俳優だと思うんですけど、いわゆる演劇歴は何年くらいになるんですか?
茶谷 あの、ちょっとその前に、その「実力派」ってのはどういう人を指すんですかね。だって「実力じゃない派」なんていないでしょ?
権守 (ヤバい。ちょっとめんどくさい人かも)え、いや、だからたとえば・・・「個性派俳優」とか。
茶谷 あぁなるほど。そう言われれば確かに「個性派」ではないですね。さっき演劇歴を尋ねられましたけど、それこそいろいろやってますから。節操がないんです。昔、「演劇アンサンブルかなざわ」って劇団があってそこに所属してたんですよ。これはいわゆる新劇系なんですけど、そこが事実上なくなってからは劇団新人類人猿(注:出演多数)にも出るし、ジョキャニーニャの新津さんと組んだこともあるし(注:ユニットMasa&Kou『まにまに』)。なんならミュージカルもやったことあるなあ(注:ミカノカミカミプロデュース『星の王子さま』)。とにかく今は自分としては所属もないし、呼ばれたらそこに何となく馴染んでる感じかな。あんまり自分の個性とかこだわらないし。
権守 すごいですね。それで、あの、ちょっとよくわからなかったんですけど、「演劇アンサンブルかなざわ」でしたっけ?それってあのオーケストラとは違いますよね?
茶谷 違う違う。糀谷さんとか中條さんとか、ベテランの方がいらっしゃってね。一応、看板だけは僕が受けついてるんだけど。まあ、昔の話だよね。
権守 井口さんともお付き合いは長いんですか?
茶谷 彼も長いからね。お互い知ってはいたんだろうけど、そこまでじゃなかったかな。初めて共演したのも2016年に北陸新協さんでやった『雪やこんこん』だから。それでももう8年前か。
権守 井口さんの印象って聞いてもいいですか?
茶谷 彼は器用だよね。旅芸人の役で女形だったんだけど。
権守 女形?それはさすがに厳しくないですか。
茶谷 芝居だからいいんだよ。それに結構ハマり役でやってたよ。日舞みたいのを踊ったりね。そういう意味では僕とちょっと似てるかもね。やってって言われたら何でもやっちゃう。そのうち彼もミュージカル出るかもね。
権守 いやーそれはないと思うんですけどね。あ、そうだ。これは井口さんから絶対聞けって言われたんですけど。
茶谷 ほう、何でしょう。
権守 茶谷さんと言えば、素敵な声が印象的ですが、何か特別なトレーニングとかされてるんですか?
茶谷 え。そうですかね。あんまり意識したことはないんですけど・・・。
権守 いえ素敵ですよ。聞いてて心地いいと言うか。柔らかで穏やかな感じがします。
茶谷 そうですか。それも周りに溶け込む原因のひとつかもしれないですね。ただ、申し訳ないけど特別なことは全然してないんです。むしろ時々喉はつぶしちゃうことあります。
権守 えー本当ですかあ?
権守 いよいよ今回出演される、プロゲキ!「怪談」についてお聞きしたいんですけど、まず参加されることになったきっかけを教えてください。
茶谷 これが変な話でね。井口さんから間違い電話がかかってきたんですよ。着信があったからこっちからかけなおしたら「あ、すいません!間違えました!」って。で、ああそうですかって電話を切ろうとしたら「あのー、これも何かの機会なのでお願いしたいんですが、プロゲキ!出ませんか?」みたいな感じで。
権守 なんかわざとらしいですねえ。
茶谷 え、そうかあれわざとだったのか。だとしたらうまいこと乗せられて出演することになっちゃいましたね。気がついたら前回の公演を観にくることになってました。
権守 6月の公演をご覧になったんですか?印象はいかがでした?
茶谷 短い作品を何本か観るっていうのはとても楽しかったんですけど、次回自分が出ると思うとめちゃめちゃ緊張しました。やっぱりね、比べられちゃうでしょ。しかも今回は観客投票もあるって話ですし。
権守 そうなんです。「プロゲキ!怪談王」の座をかけて戦っていただくわけですが、自信のほどはどうですか?
茶谷 みなさんすごい人ばっかりですから。どんな結果になろうとも甘んじて受け入れます。
権守 ここはひとつ、「勝つに決まってんだろ」とかそういうコメントもらえませんかね。
茶谷 いやいや。そういう目立つことはなるべくしないように生きてきたんですから。今回もね、おだやかに、さりげなく、うまく周りに溶け込んで、それで、勝ってみようかな。
権守 勝利宣言ですか?
茶谷 だから大げさにしないでよ。とにかく結果は時の運だから。自分のやってきたことをただやるだけかな。幸い、いろんな芝居をやってきたから引き出しは多いつもりなんでね。そういうところをお客様に観てもらえればありがたいね。
権守 最後になりましたが、茶谷さんが思う、演劇の魅力ってどういうところですか?
茶谷 演劇の魅力ですか・・・。演じる側からすれば、やっぱりお客様の反応だと思います。途中とか、終わった後の拍手とか。どれだけ稽古をしたとしても、やっぱり本番がすべてなんですよ。その一瞬一瞬のために、稽古もやるわけですから。ある意味刹那的とも言えるけど、そこがやっぱり魅力なんじゃないかな。
権守 なるほど。本日は素敵なお話をありがとうございました。
【インタビュー後コメント】
権守 今回、タイトルに「カメレオン」っていう言葉を入れさせてもらったんですけど、本当にそういう感じでした。最初は何と言うか「品のいいおじさま」みたいな印象だったんですけど、つかみどころがないっていうか、表情もいろいろ変わるんです。まさにカメレオン俳優ですよ。そして、絶対勝ちを狙ってると思いました。注目です!!
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